170518(Thu)sumika「Dress Farm #3」
5月に発売されたsumikaの3曲入シングル。今年発売されたものですが、すでに販売終了となっています。
なぜかというと、このCDが特異な形式の販売方法だったためです。
まず入手方法はタワレコの一部店舗・メールオーダー・通販と、CD購入手順としては普段とあまり違いはなかったのですが、なにより驚いたのは”価格設定自由”という点でした。
「最低額1円でもいい。自分でこの1枚に価値をつけてもらうことで、人それぞれの大切にしたい“なにか”を、音楽を介して共有したい」
…考えがオシャレ&おもしろいなぁ、と。
私もおそらく「音楽が好き」と自覚し始めた高校生の頃から、シングルは1,000円、アルバムは3,000円くらいというのが相場だと思って生きてきて、リリースの度にお小遣い、社会人になってからはお給料の中から、決められた価値を払ってきました。
それを「自分で決めていいですよ」と彼らはおっしゃるわけですよ。
これは参加してみるしか!!!!
まず入手方法としてはせっかくなので店舗入手にしました。
やはりやはり、TOWER RECORDS渋谷店様。
(静岡在住でありながら店舗入手のために渋谷まで行く行為が、まず彼らに1つ価値を見出してる点ではあります)
店頭に行くと真っ青なバックにしゅるりと装飾されたマゼンタのリボンが目を引くジャケが並んでおりました。
そして”価格設定自由”のポップ。本当にこの企画進行してるんだな~と実感。
そしてジャケを手にして、しばしその場で価格シンキングターイム!!!!
◆ひとまず新曲入りのシングルなので、自分が音楽と生活してきた価値基準に則り、1,000円は払わねばならんだろう。
◆2曲はライブ音源だけど、ライブに行ったことのない私にはまぁまぁ価値あり。
◆ライブに行った気分は味わえそうだなぁ。
◆ライブお試し盤ともとらえ、ドリンク代500円×2曲ってとこかな。
―レジにて―
店員さん「こちら価格設定自由の商品ですが、いくらになさいますか?」
ぱんだ「2,000円でお願いします」
店員さん「かしこまりました(^ω^)」←めっちゃ笑顔☆
…という具合に購入しました。
たぶんsumikaをすごく以前から知ってる人は、もう少し割高な設定をしたのでは、と思う。かたや私は、昨年知ったばかりでまだライブに行く機会もなく、sumikaというシェアハウスに入居したてのまさしく新人である。
まだ少し距離を測りながらsumikaの音楽と同居している感じではあるので、すごく冷静に自分の思うCDへの価値に基づいて設定しました。
しかしこういう企画って、店員さんも楽しいだろうね。
音楽やモノづくりって技術はもとよりだけど、そこまでの過程や、その先の受け取った人たちの声や感動、思い出っていう部分に付加価値がつくからねぇ。
いろんな価値に気づかせてくれる、考えさせられるきっかけをくれた企画&1枚でした。
さて!ここからは収録曲の感想です。まずはライブ音源の2曲から。
<ふっかつのじゅもん>
sumikaを知って2番目にMVを見た曲だったと思います。
この曲がかっこよくて惚れた部分もあるので、もう少し価値を上乗せしてもよかったのかなと後から思いました(笑)。
片岡さんが最後に「48000点!」って言ったのを一聴したときは「フォゥッ!」とテンション上がりましたが、何回も聞いてるうちに「…っていうか何点満点なの??」という疑問が浮かびました(笑)。
ファンの掛け声もよく聞こえて、ライブでの盛り上がりを早く体感してみたいな~と思うばかりです。
<リグレット>
sumikaを知った当初、いちばんキレイだなと思った1曲。
小川さん(key)加入前にリリースされた曲を、このライブではキーボードの活きる少しポップなテイストに。
MVは別れのワンシーンを逆再生したすごく切ないものになっているのですが、何年か経ってふと思い出すことはあっても、もう後悔はしていないよ、あの頃に感謝しているよと、主人公がふっ切れつつあるような潔さも感じる、オリジナルとは違うキレイな強さが魅力でした。
<春風>
せわしなく駆け抜けるギターイントロダクションの新曲。
朝から駅を猛スピードで走り去っていく何本もの満員電車が浮かぶ。
それから晩まで目まぐるしく過ぎ去るのが、いわゆる”都会暮らし”なのではと想像。
私自身はそういう経験はないのですが、自らの意思とは裏腹に加速していく日々の中にいると、いろいろな感覚が擦り減っていくように思う。
そんな中で故郷にあるぬくもり(家族や思い出たち)に想いを馳せ、一呼吸おくようにやわらぐサビのテンポが心地よい。
希望と不安が入り混じる季節に、そのぬくもりを頼る術も、便りにする術も、私たちは知っている。ところがどういうわけか意地を張ったり、強がってみたり。
春風はそれを素直に届けてくれるやさしさを持つ特別な風のように思う。
心配や焦燥は故郷の貴方も都会の私もお互い様。
春風の安らぐ力を借りてエールを贈り合うことで、次もきっとまた笑って会える。
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