180124(水)UNISON SQUARE GARDEN『MODE MOOD MODE』
まず、このアルバムのリリースがファンへ告知されたのは、日本全国が新年を待ち侘びる準備が整った2017年12月31日。
そしてリリース日が2018年1月24日。
告知からわずか3週間ほどしてアルバムが手元に届く。
かつ、その3週間の間には過去作MVのフルサイズ期間限定配信、収録曲からリードトラックとなる<君の瞳に恋してない>のMV公開。
昨年のシングル3連続リリースもなかなかのものだったが(特に財布事情が笑)、今回はスピード感とボリューム感の挟み撃ちなる展開でファンを戸惑わせ騒がせた、ある意味、事件性の大きな1枚。
そしてこんなに唐突な告知となったのは、昨年からツアー慣行中であった彼らの「ツアー中はツアーだけに集中して楽しんでほしい」という作り手としてのこだわりからだというのをインタビューで読んで「そういうとこ好きだ…」と惚れ直すのであった。
また曲名に関してはリリースまで未発表。
配信といういつでもどこでも音楽が手に入る時代に、あえて店頭に足を運んでCDを手に取ってくれる、そういうもの好きにいちばん最初に知って楽しんでほしいという計らいのため。
これを遂行すべくリリース前に発行された雑誌のインタビューでは、曲名表記が一切ない状態で進行するなど、配信リリース後までHPやメディアでも徹底して曲名を明かすことはなかった。
私も店頭CD派の1人なのでこの気遣いはすごくおもしろみがありうれしかった。
「そういうとこ好きだ…(2回目)」
そんなわけで、全12曲を好きなフレーズを並べながら紹介してみることにする。
れっつ、もーどむーどもーど!
M-1<Own Civilization>
【ちょい戸惑ってる新米も 勝手を知ってる備蓄米も 全部まとめてお櫃にブレンド 顔は知らないまま】
1曲目から耳を疑う単語が笑。
重めの音からのスタートなので「あ、このアルバム全体的にそんな感じなのかな~」とやや心配したのだが【新米】【備蓄米】がファンを指し示す言葉と気づいてから好きになった。
ユニゾンがライブの時に「はじめての人もいつもの人も、各々好きなように楽しんでってください」って言うのをDVDで何度も見てるのだが、それをこういう表現にしてあるだけだった。
「そういうとこ好きだ…(3回目)」
M-2<Dizzy Trickster>
【席はちゃんと空けておくから 間に合わないなんてないんだよ この高揚感は誰にも奪えない】
この曲がいちばん好きだ。
ユニゾンのアルバムは絶対にライブへの期待を高まらせる曲がある。
今回はそれがこれにあたるのかな。
中高生に人気のバンドだとは思うのだけれど、おそらく私のようにメンバーと同年代の社会人ファンもそこそこにいると思っている。
仕事で遅くなっても、必ず君を待ち君を楽しませる。
上司なんかねじ伏せてこい(あ、これは言い過ぎか)とでも言っているかのような自信と確信に満ち溢れた、ポップに駆け抜ける1曲。
<Dizzy>って前作の『Dr.Izzy』のことかと思ったけど、"めまいがする"って意味らしいからそうではないのか。
"めまいを起こさせるほど(楽しませる)奇術師"。
曲名と歌詞を紐解いてなるほどと大きくうなずいた。
M-3<オーケストラを観にいこう>
【タクトみたいに揺れ動く 感情の迷いに合わせて あぁ 頭の中言葉たちが大合唱 どうやって選ぼう?】
田淵さんがかわいい恋愛ソング作った(*´Д`)
リリース前に先行公開されたM-12<君の瞳に恋してない>も、状況的には似た曲なんだけど、こっちのほうが年齢層高めのラブソングかな。
20代半ば~30代あたり。
まだ"付き合う前"の男女の関係性を男性の視点から描いた1曲。
揺れ動く感情をストリングスの旋律で鮮やかに繰り広げる美麗曲。
【依然信号待ち】のフレーズが直前の歌詞と男性の心境と2つの意味がかかってるのにニヤリとしてしまった。
道路も恋愛も青信号で安全に渡りたいよね。男性って特にそうらしいね笑。
M-4<fake town baby>
【ぐだぐだ言ってるだけじゃ 見向きされないのが この街のルール】
気合いの入る1曲。
実力主義の世界は確かにあって。
そういうところには負けられない戦いが常にあって。
文句言うより成果で頭角出すのがいちばんだと思った1曲。
M-5<静謐甘美秋暮抒情>
【最後の最後まで予想できるなら 人生に価値などないでしょう】
歌詞の中には"東京"って地名が出てくるけど、あらゆるところで生活する疲弊してる人たちに聴いてほしい1曲。
ユニゾンは世間的には"わけわかんない曲"のイメージ強いと思うけど、歌詞を読むとちゃんと筋の通ってる曲のほうが多い。
これはすごくストレートな言葉しか使ってないバラードなのでおすすめできる。
宏介さんのボーカル力も静かに光る1曲。
M-6<Silent Libre Mirage>
【等間隔で横目にチラついたライバル】
配信限定だったのでライブ映像で公開されるまで知らなかったが、聴いて1回で気に入った曲。
水泳ドラマのタイアップだったようなので、小学生の時にスイミングスクールに通っていた自分はここが共感できた。
普通に習い事クラスだったけど、昇級テストではタイムもはかってた。
クロールで息継ぎの瞬間はもちろん、水中でも隣のレーンが視界には入るわけで、観衆には見えないところでも心理戦が行われてるのが水泳だと思う。
そんな水泳というスポーツの奥深さを良く表した1曲で、なんか懐かしくもなったし泳ぎたいとか思ったけど、いろいろ無理←
ここまでで半分。気になった曲ありました??
全曲試し聞きできるクロスフェードあるので置いてみます。
一息入れたとこで後半の紹介もどうぞ▼
M-7<MIDNIGHT JUNGLE>
【もったいない ほら溜めこんだ怒りは 煉って千切って桜吹雪】
日本の祭りを思わせるようなリズムが特徴的。
阿波踊りに【えらいこっちゃ えらいこっちゃ~】って節があるけど、それと似た感じで【もったいない】ってフレーズが何度も出てくる。
これは絶対にみんなで叫ぶやつ…この曲もライブが楽しみな1曲。
たぶん世の中に"カッとして刺してしまった"みたいなニュースが多いので、そういう負のエネルギーを他に向かわせるように仕組んだ曲とも言えそう。
あとこの曲中に出てくる【無礼講の履き違えはkey違い】ってのが、今作中でいちばん言葉並びとして萌えです笑。
M-8<フィクションフリーククライシス>
【結局世界は僕が救うしかない 手こずります】
この曲がいちばん何言ってるのかわかんなかった曲(笑)。
テーマ的にはM-7と同じ感じかな~と。
もっと狭くて家族間の問題を差してるかなぁ。
1月号の『ROCKIN' ON JAPAN』で田淵さんが生い立ちを語っているのだが、自身も家庭環境が少し歪だったようで。
(本人がワルだったとかじゃないけど、小さいなりに不穏な空気は感じていたらしい)。
生まれ育った環境が良くも悪くも、自分のしあわせは自分で掴むしかないって力強いメッセージが込められてる曲だと思います。
それを映画に例えてる感じなんだけど、家庭だけが君の生きてるシーンではないので、希望は捨てるな的な。そんなことを思った1曲。
あと【致死量のcheese cake】がどのくらいの量なのか真剣に考えた←
5号サイズ(直径15cm)ってところに落ち着いた←
M-9<Invisible Sensation>
【願えばきっと叶うなら 苦労なんて辞書にはないだろうね】
社交ダンスをテーマにしたアニメのタイアップで、これは2シーズン目のOP。
努力と反省の大切さを詰め込んでる1曲。
時間には限りがあるという厳しさも説きつつ、今、この瞬間をどう輝かせるか。
そこで目に見える結果(トロフィーやメダル)がなくとも、何かを感じ掴むことの大切さも込められている。
ただただいい曲。
ただただシングル連続リリースの中ではいちばん歌うの難しい曲(ーωー)チーン
M-10<夢が覚めたら>
【きっとどの未来選んでも すれ違ってたから】
別れのシーンを静かに熱く描いたバラード。
どこでどう選んでもすれ違って別れる運命だったって考えるのが悲しく、振り切って前に進もうとしている感じが切ない。
個人的にライブの最後に聴きたい曲。
アンコールの1曲目とか。
M-11<10% roll,10% romance>
【1beat、賛美、火をつけて!】⇔【わびさび、気をつけて!】
連続リリースの1発目。どこで息吸ったらいいのかわからんかった曲(笑)。
M-9と同じアニメの1シーズンのOPで、韻の踏み方がすごくきれいな曲。
社交ダンスって優雅なイメージしかなかったけど、曲によってはせわしないステップが続くのな。
これははじめて社交ダンスというものを調べてみて驚いたことです。
そんな競技ダンスとしての魅力と、アニメは見たことないのだけど、パートナーとの恋愛模様ものぞかせる様なドキドキ感が曲中に散りばめられています。
あと【有史以来】⇔【you see the light!】の韻の踏み方も絶妙で好きなのだが、ちゃんと歌い分けてる宏介さんのボーカル力に凄みを感じます。
ちなみに3連続リリースシングルは本当に間を詰めてる曲が多くて、インタビューで田淵さん&貴雄さんのリズム隊が「隙間恐怖症を患っていたため」と話している。
なんだそれ…。
M-12<君の瞳に恋してない>
【後悔したまま死ぬかもしれないし 保証なんてどうせ役立たず】
かわいい恋愛ソングその2。これは中高生な感じ。
そしてタイトルのツンデレぶりが田淵さんっぽい。
ちょっと捻くれてる感じの歌詞もツボ。
M-3のちょっと大人で様子をうかがってる感じよりは、この当たって砕けろの勢いがあるほうが、個人的には好きかなぁ(笑)。
MVもユニゾン史上最高にかわいいと思う。
あとこれは歌いやすい。みんなで歌ってもきっと楽しい。
オフィシャルで「わからずやには見えない魔法を、もう一度」とあった。
これは彼らにハマったきっかけの中にあった1枚である、4枚目のアルバム『CIDER ROAD』のリードトラック<シャンデリア・ワルツ>の歌詞の一部を引用しているもの。
最初にM-1が重めの音だったから心配したと書いたけど、全曲通したらやっぱりUNISON SQUARE GARDENはUNISON SQUARE GARDENだった。
ってーことで、今回もやっぱり私は彼らの魔法にかかってしまった。
ライブ自体は2回目になるけど、リリースツアーというのははじめて参加する。
ホールなのでどこの席からでも全メンバーの姿は確認できるけど、まぁ、間違いなく田淵さんを追ってしまうのだろうなぁ(苦笑)。
7月かぁ。遠いなぁ。グッズも楽しみだなぁ。しょくぱんくんほしいなぁ。
アルバム曲以外は何を用意してくれるのかも気になるところ。
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