180425(水)sumika「Fiction e.p」
sumika2枚目のe.p作品。
代表曲は数あれど「sumikaって最初にどれを聴いたらいい?」と問われたならば、私はこのe.p作品をおすすめしたい。
家屋のイラストを描くとき、大抵の人は四角の上に三角屋根をかぶせるだろう。
その四角には、正面、左右の側面、背面という4つの面。
CDジャケットもまた、四角からなっているというのは偶然かはたまた必然か。
そんなわけで、今日は「Fiction e.p」という1枚のショールームをご案内します。
ここから聴こえる景色を少しだけご覧あれ。
まずは正面。入り口となる大切な大切な門構え。
これは間違いなくsumika王道のポップスで送るM-1<フィクション>。
繰り返す毎日を飽き飽きせず、ポジティブに綴っていく要素を散りばめた言葉たち。
1日1日をまさしくひらりとめくるように跳ねるキーボード。
sumikaのポップスナンバーは、この2つが色濃く印象に残ります。
すべてのヒト・コト・モノとの出逢いには意味があり、それを巡って生まれる感情によって生きていることを実感できると思います。
その大切さを改めて聴いた人に気づかせ、刻みつけてくれるような、心が軽くなるエールソングです。
お次は左右の側面を見てみることにする。
なかなか魅力的には感じづらい部分ですかね…。
この1枚ではM-2<下弦の月>、M-4<いいのに>がそれでしょうか。
sumikaのラブソングはちょっと情けない、もしくは頼りない男が主人公となっている曲が、意外と多いのです(苦笑)。
そんなマイナスな面すら知れば知るほど味わい深く、なんだか愛おしい。
そんな曲たちです。
M-2<下弦の月>で奏でるはロック調な大人の失恋編。
この曲の最大の注目点は❝女性コーラス❞が居ること。
ときおり混ざる彼女の声は、確かに2人の生活がそこにあった事実と、後悔を助長させるような悲痛な叫びに変えて耳にこびりつかせる。
さらにギリギリとかき鳴らされるギターで、彼女が与えてくれた甘い夢による呪縛とのがんじがらめな様子が心苦しい。
転調後のサビ歌詞【思い出してまた寝かしつけている】がダブルミーニングであることに気がついてニヤリとしたが、寝かしつけて美味しくなるのはカレーくらいなので、「早く捨ててしまえばいいのに( ゚Д゚)ペッ」と、私の性格上ややイライラも残る1曲なのであった←
一方のM-4<いいのに>は、ゆるポップな中~高校生くらいの淡い片恋編。
歌詞中に(4980-609)とカラオケのコードが出てくるので、いったい何の曲なのかぜひ確かめてほしい(他力本願)。
これだけ具体的な数字が載るということは実話なんでしょうかね(*´Д`)
それにしても…。
いや、もう、かわいい以外の言葉が降りてこないんやで…。
自分の言葉で表せないから、カラオケで仮想告白の状況作り出すとか、この年齢でしか使えない手法やで…。
大人がこれやったら寒い以外の何者でもないんやで…。
こんな不器用なシチュエーションないで…。
この言えそうで言えないもどかしさが、甘酸っぱすぎるんやで…。
※注:悶えすぎて自分を見失っています。
そして私の性格上「早く告っちまえよ( ゚Д゚)ペッ」と、ややイライラ…(以下略)。
そして背面にあたるのは、ロックナンバーM-3<ペルソナ・プロムナード>。
1曲目における爽やかなイメージと相反する燃焼系sumika曲。
はじめに聴いた時は、何を意味した歌なのかクエスチョンマークが頭に浮かんだ。
同時に本当にあのsumikaなのか!?とも。
ツイッターをはじめ、SNSの世界を曲にしたものです。
“バズる”はbuzz=噂話、口コミのこと。
「おもしろいものほど広がったもの勝ち」と強く強く訴えかける。
ボーカル片岡さんのかけ声を皮切りに、各々の楽器が火を噴くように激しさを増して迫りくる間奏は痺れます。
M-1であれほどきらめきを与えてくれたキーボードが熱く鳴っているのがおもしろいです。
ライブでは「あぁ、鍵盤は打楽器でもあるんだっけ」と気づかさせる小川さんのプレイも見事な1曲です。
悪い噂や粗悪なモノほど早く広がるこの世の中に、喝を入れているような曲にも思えます。
リアルでもネットでも、真に炎上するのは明朗なことだけであればいいと深く思います。
さぁ、「Fiction e.p」いかがだったでしょう。
この四角には、人が人らしくあるための「ライフ」と「ラブ」が詰まっています。
この2つが充実することで住み家は形を成し、立体的なものへと変化するのではないでしょうか。
日々を愛し、人を愛せ。
それが、紛れもないあなた自身の<Fiction>を作り出す。
お気に召したら正面の扉に手をかけて、ぜひsumikaの音の住人へ。
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